• TOP
  • 須磨区医師会について
  • 検診・健診
  • 予防接種

健康コラム

2014年7月30日 水曜日

はやりめ(流行性結膜炎)のおはなし

はやり目の季節です。

 はやり目は、正式には流行性角結膜炎といい、目の白目(結膜)が急に充血し大量のメヤニがでる、夏に流行しやすい結膜炎です。
 ただ最近では、夏以外でも流行することもあります。
 原因は、アデノウイルス(8型、19型、37型)によっておこります。主に手を介した接触感染で、ウイルスに感染した眼を手で触れると、手にウイルスが付着し、そのまま、いろんな物に触ると、その物にウイルスが付いて、他の人がそれに触れて、その手で目をこするなどした場合に感染するという経路がほとんどになります。
感染して7~14日して症状が発生し、10~14日症状が続きますが、最初の1週間が特に症状が強くでます。症状は、強い充血、メヤニ、涙、まぶたの腫れです。
 耳の前のリンパ節が腫れることもあります。片方の目に発症した場合、もう片方の目にもうつることが多いです。まれに黒目(角膜)に軽い混濁が残ることがありますが、大人であれば、さほど問題はありません、ただし小さな子供さんの場合は、まれに
障害が残る場合がありので、しっかりと治療が必要です。
 これに対して、有効な治療方法(目薬)はなく、ウイルスの活動性が自然に低下してくるのを待つしかありません。ただ、炎症(充血)に対しては、ステロイド点眼液で少しでも軽減させる必要があります。角膜炎がひどくなると混濁が残ることがあります。
また、目が弱っているので、他の細菌が感染しやすくなっています。そのため抗生剤の点眼が必要です。発症して4~5日は特に症状が強くなってくるので、目薬が全然効いてないと思われがちですが、細菌の感染は乳幼児の場合、角膜穿孔(穴が開く)を
起こすこともあるので、必ず効いてないように思えても、点眼を続ける必要があります。
 ウイルスに対する抵抗力を上げるため、休養をとって体力を保つのも大事です。
 また、この結膜炎は非常に感染力が強く、学校保健安全法上、学校感染症に指定されており感染力がなくなるまで、学校を休まなければなりません。
 また、大人でも原則休職が必要ですが、どうしても勤務が必要な場合は、職場の上司方と相談していただく必要があります。
他の人にうつらないようにするには、手をよく洗う、目をできるだけ触らない、家の人と同じタオルを使わない、よく触るドアのノブなどは、アルコールなどで消毒する。学校、プールなどには、医師の許可があるまで休む必要があります。
結膜炎は他にもアレルギーなど、他の原因でも起こるので、充血、メヤニが多くなる時は、できるだけ早く眼科医の診察をうけてください。

投稿
田村眼科医院  院長 田村泰