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健康コラム

2016年3月28日 月曜日

逆流性食道炎のおはなし

●逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流することによっておきる病気です。胃液に含まれる胃酸により、胸焼け(喉元からみぞおちあたりが焼けるような感じ)や呑酸(どんさん:酸っぱい胃液が口のほうまで上がってくる感じ)などの症状があらわれます。胸のつかえや痛みを自覚したり、慢性の咳や中耳炎の原因となったりする場合もあります。
●最近、逆流性食道炎の症状を訴える人が増加しています。その理由として、①日本人の胃酸の分泌量が多くなった、②お腹に圧力がかかりやすい体型の人が増えた(肥満、骨粗鬆症で腰が曲がった高齢者)ことなどが考えられています。①の原因には、食生活の欧米化による動物性脂肪やたんぱく質の摂取量の増加があります。さらに、ピロリ菌感染率が低下し、生涯にわたって胃酸の分泌が保たれる人が多くなったことも要因とされています。また、脂肪の摂取は、胃と食道のつなぎ目を弛緩させ、逆流を誘発します。
●逆流性食道炎の予防には生活習慣の改善(食べ過ぎない、脂肪分を控える、食べてすぐ横にならない)が有効です。ただし、症状が続く場合は速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。内視鏡検査で、逆流性食道炎の重症度を判定するとともに、癌などほかの疾患がないことを確認しておくことが望ましいです。
●逆流性食道炎の治療には、胃酸の分泌を抑える薬が効果的です。食道や胃の運動を活発にして逆流を防ぐ薬が使われることもあります。薬を中断すると再発することが多いので、薬の量や服用期間は、医師とよく相談して決めるようにしましょう。

投稿
しらかわクリニック 院長 白川勝朗

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