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健康コラム

2017年10月31日 火曜日

疥癬のおはなし

疥癬とは?
疥癬はヒゼンダニ(Scarcoptes scabieivar.horminis)による感染症で、人から人へ接触する事で感染します。
疥癬は有史以来人類を悩ませてきた皮膚病で、古くは古代バビロニアでの記録があります。19世紀中頃からは皮膚科医が主に診療する病気になりましたが、様々な民間療法が広く行われてきたのが実情です。
しかし、近年有効な治療薬が発見され、臨床の場で使用する事が可能となったため、治療は大きく進歩しました。しかしながら、疥癬の病態は完全に解明されたわけではなく、病像も多岐にわたり、マネージメントするのは難しいと言わざるを得ません。
確定診断は顕微鏡で、虫体もしくは卵を確認することです。


要点を以下にまとめてみました。

1. 疥癬はヒゼンダニによる感染症で人を介して容易にうつる。
2. 感染は接触により起こる。(衣服、寝具を介しても感染する。)
3. ヒゼンダニは体長0.4×0.3mmくらいの原虫で、肉眼ではまず確認できない。寿命は1~1.5か月位である。
4. ヒゼンダニは吸血しない。
5. 刺されて痒いわけではなく、遅延性の皮膚アレルギー反応が起こって、痒くなると言われている。
6. ヒゼンダニは16℃で動けなくなり、感染力が低下する。また、50℃の熱を10分間以上加えると死滅する。
7. 疥癬の主な症状は強い痒みを伴う発疹である。通常、顔に発疹が出ることはない
8. 疥癬には通常疥癬と重症である角化型疥癬があり、後者はノルウェー疥癬とも呼ばれ感染力が極めて高い。

治療は外用薬と内服薬があります。前述したように近年有効な薬、(イベルメクチン、発明者はノーベル賞を受賞しました。)が発見されたため、飛躍的に治療が楽になりました。

興味のある方、詳しく知りたいと思う方は日本皮膚科学会のホームページを開き、疥癬診療ガイドライン(第3版)をご覧下さい

投稿
美紀皮膚科医院 院長 稲守美紀

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