• TOP
  • 須磨区医師会について
  • 検診・健診
  • 予防接種

健康コラム

2017年12月15日 金曜日

手の痺れのおはなし

手根管症候群:手のしびれに注意して
体の中でも、手の機能は脳と直結しており、細やかな動きを必要とするとともに、最も機密で鋭敏な感覚を持っています。
良く知られている手の病気のうち、「手根管症候群」は手首の手のひら側にある、骨と靭帯に囲まれた「手根管」と呼ばれる管の中を通る「正中神経」が圧迫されて起こります。
親指から薬指にしびれが生じ、薬指のしびれは親指側だけであることが特徴です。
正中神経は物などをつまむ際に親指を動かす筋肉を支配しており、症状が進行するとそれらの筋肉の動きが悪くなり、症状が進行するとボタンをはめるなどの動作に支障が出ます。
治療は、初期には薬の内服や注射などで良くなることもありますが、ある程度進行すると手のひら側にある靭帯を切り離す手術が行われます。また、つまみ動作に支障がある場合は、その機能再建術が必要となる事もあります。手のしびれは手根管症候群のような末梢神経の障害だけではなく、脳・脊髄といった中枢神経のいずれに異常が発生しても起こります。
しびれを放置せずに病院を受診し、進行する前に診断や治療を受けていただくことが重要です。
また、指の曲げ伸ばしの時の引っ掛かり感を症状とする「ばね指」や、痛みを伴わない手のしこりから指の伸ばしにくさに進行する「デュピュイトラン拘縮」、ドアノブを回すときの手関節小指側の痛みを伴う「TFCC損傷」など、日常生活、仕事、趣味にかかわる様々な疾患で、最初の症状は軽くても、放っておくと大きな後遺症をもたらす可能性がある病気も存在します。それぞれの病気についてよく知っておくこと、適切な時期に適切な治療を受けることが大切です。

投稿 
三輪整形外科クリニック 院長 三輪啓之

記事URL

2017年12月 5日 火曜日

耳鳴りのおはなし

耳鳴

耳鳴りの分類
•外因性耳鳴り 音源を特定できない戸外の振動などが原因と言われているが不明のことが多い。
•内因性耳鳴り 体内に原因を認める耳鳴り、例えば血管性耳鳴り。
拍動性のどくどくといった音をしめすことが多く、高血圧、中耳炎などが原因の場合がある。
生理的耳鳴り
•無響音室性耳鳴りや一過性の血流変動によって生じるものなどがある。
•防音室などのきわめて静かな部屋に入った時に「シーン」「ジャー」など一過性に感じる音覚 日本人が静かで音のない状態を「シーン」という表現を用いるのはそれに通じるものと考えられている。
•睡眠不足、疲れなどが強い場合。片耳の耳閉塞感にともなって「キーン」という耳鳴りが短時間に一過性に起こることがあり、聴覚経路の一過性の虚血が原因と考えられているがそれらは生理的な現象である。

一過性の耳鳴り、つまりはときどきある耳鳴りに関しては治療対象にはあまりならないことが多い。耳鳴りが持続的になることが問題で、いろいろな疾患が隠れている場合があるので、持続的な耳鳴りを自覚した場合は耳鼻咽喉科受診をおすすめする。

つぎに耳鳴りに随伴する症状がある場合
•例えば 耳鳴りとめまい 
      耳鳴りと難聴  
 といった症状の場合はメニエール病や突発性難聴、聴神経腫瘍などの可能性もある。
その場合は聴力検査やCTなどの画像診断等で判別することもある
特に突発性難聴に関しては早めの治療開始が大事なのでなるべく早い受診が必要となる場合もあるので注意が必要。
耳鳴りの治療
ビタミン剤、漢方などの投薬等の効果は乏しいことが多い。
血流改善剤等にて経過をみていくことが多いが、高音を低音の音にすることや音を小さめにしていくことを目的としており、低音の耳鳴りを止めることは非常に困難である。
不眠、ストレス等が強い場合は抗不安薬、眠剤などの投与は効果的な場合があるが、コントロール不良の場合が多いので心療内科、精神科への紹介も考慮が必要となる。
耳鳴りの原因としては不眠などの体のストレスや精神的ストレス等が強い場合なることもあるので一過性の耳鳴りは体の悲鳴として、まずは体をしっかり休めてあげることも大事な治療となることもつけくわえておく。

投稿
宮本耳鼻咽喉科 副院長 宮本英明

記事URL